映画の感想とボヤき

人生迷走中の独身女が映画をみて感想を言ったり、感じたことをただ赤裸々に書き記すだけのブログ。ネタバレ全開なので注意。

パンズ・ラビリンス[Pan's Labyrinth] 感想

今まで見たいと思ってたけど虫が…とか血が…とか内容かなりエグいよ…と脅されまくって怖くて見れなかったんですが覚悟を決めてみました。今までさんざん怖がっていたせいか、むしろイメージより怖くなかったんですがそれでもやっぱりグロいシーンはキツくて何度も目をつぶって音をミュートにするシーンも…笑

有名な手に目のあるクリーチャーは普通に「おお~これが有名な」って感じであまり怖がらずに見れましたね。あとメルセデスがかっこいい。大人たちに完全な善人がいないところが、荒んだ時代を感じさせました。大尉は子供を産ます女が欲しくて、お母さんは金と安全が欲しかった。メルセデスはスパイをして医者もレジスタンス寄りではありますが限りなく中立にいたような気がします。レジスタンスたちももちろん「正義」とは言えないでしょう。現実世界の描写が「リアル」だなぁと。


ともかく内容としては、目を背けたくなるような現実から逃げるように自分がおとぎ話のお姫様であるかのような世界に逃げ、試練にのめり込んでいく…。オフェリアの魂は本当に姫だったのか?パンは本当に実在していたのか?マンドラゴラのおまじないなどは偶然だったのか…あとチョークの扉も。あれ欲しい。


個人的には、パンは本当に存在していたんじゃないかなと思います。この世界のいろんなところに”扉”を作り闇に誘う悪魔のような、番人のような…。そしてお姫様うんぬんというお話はオフェリアの妄想だったんじゃないかなと。


そう思った理由は、医師が大尉の命に背いた理由を聞かれた時に「何の疑問も抱かずにひたすら従うなんて心ない人間にしか出来ない事だ」というセリフのあとのシーンで、パンが現れ「最後の試練に何も質問せずただ言われた通りに従えばいい」という言葉に、最初は従って弟を連れて行くも、最後は弟を差し出すことを拒絶し、結果大尉に殺されてしまいました。一度は迷宮で大尉を足止めしたにも関わらず最後はあっさりオリフィアの元へ。あれもすべてパンの策略ではないかと思います。
最初に出会った時に「ただの人間になっていないか確かめないといけない」というセリフも印象に残っていました。なので、「命令にただ従うだけの心無い人間(非人間)」ではない、ということであり、オリフィアはお姫様ではなく、ただの空想に囚われていた人間のではないか、と解釈しました。


でも姫なのが本当だとして、過去言いつけを破り地上に出た罪を償うために自身の血と魂が必要だったかもしれない…というファンタジーオチでも全然ありな気もしてきた…まだそっちのほうが救いのような気もしますね。そういうことを見た人が考えることのできるお話だと思いました。